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HANDS-FDF (Faculty Development Fellowship) - Implementing Achievable Benchmarks in Preventive Health A Controlled Trial in Residency Education [Innovative Curricula]


Houston, Thomas K. MD et al. Academic Medicine; Volume 81(7), July 2006, pp 608-616

背景と目的

ACGMEの新しいガイドラインでは、レジデントの研修に対してpractice-based learning and improvingを要求しているが、具体的な方策は示されていない。アラバマ大学では診療所における予防医療の研修のカリキュラムとしてPreventive Health Achievable Benchmarks (PHAB) Curriculum(予防医療に対する多面的な介入と客観的なパフォーマンス評価を含むカリキュラム)を作成した。本研究はそのカリキュラムの評価を目的とした。

方略

  • 非ランダム介入試験

2001-2004年、介入前後のレジデントのパフォーマンスを評価

  • 対象レジデント:内科130人  小児科78人(介入群112人、対象群96人)
  • 施設:アラバマ大学の2ヶ所の診療所
  • 介入:

PHAB Curriculum=3つの要素からなるカリキュラムで、その目的は学習者がperformance auditを理解し、自分のパフォーマンスを振り返り、自分で改善を計画させること。

  1. フィードバックレクチャー=performance auditの原理を理解させる
  2. 個人に対するfeedback form
  3. 個人に対するレビューセッション
  • 主な評価項目:

レジデントによる患者への予防医療の提供

  • 評価方法:カルテレビューで6項目の提供の有無を確認

内科:6項目

  1. 喫煙のスクリーニング
  2. 禁煙アドバイス
  3. 大腸がんスクリーニング
  4. 肺炎球菌ワクチン
  5. 脂質スクリーニング
  6. 乳癌スクリーニング

小児科:6項目

  1. 両親の禁煙スクリーニング
  2. 両親への禁煙アドバイス
  3. シートベルト(4歳以上)
  4. チャイルドシート(4歳未満)
  5. 斜視スクリーニング
  6. 年齢に応じたワクチン

結果

のべ患者数:3,958

介入群では介入前と比較して多くの項目で介入後に予防医療の提供が増加

コントロール群では有意差なし

介入群では

内科:6項目中5項目で予防医療の提供が増加

  1. 喫煙のスクリーニング
  2. 禁煙アドバイス
  3. 大腸がんスクリーニング
  4. 肺炎球菌ワクチン
  5. 脂質スクリーニング

小児科:6項目中4項目で予防医療の提供が増加

  1. 両親への禁煙アドバイス
  2. シートベルト
  3. チャイルドシート
  4. 斜視スクリーニング

結論

多面的なフィードバックを行うカリキュラムはレジデントによる患者への予防医療介入を増加した


コメント

「kirkpatrickのより高いレベルでの評価を行う論文」というテーマで探しました。Family Medicine誌を中心に探していましたが、kirkpatrickの高いレベルで評価をしっかり行っている論文はとても少ないという現実を実感しました。
この論文は、カリキュラムによってレジデントがどの程度患者さんに予防医療を提供したかというところを評価していますので、Level 3だと思います。

ただし、「実際は予防医療を提供したかどうか」を評価しているのではなくて、「予防医療を提供しようと持ちかけたか?」を評価しています。例えば乳癌スクリーニングのマンモグラフィーでは、実際にマンモグラフィーが施行されるには、検査の予約のとり易さなどが影響してきます。そこで「実際に検査をしたかどうか」ではなく、「スクリーニングの検査を話題に出して持ちかけたかどうか?」で評価しているのです。

最終的に重要なのは患者さんの健康に及ぼすアウトカム(Level 4)ですから、実際に患者さんが検査を受けたか、受けてないかはLevel 3の中では何ら変わりがないということなのですね。

実際の介入である、PHAB CurriculumはUSPSTFの予防医療の項目を参考にして、内省的実践家(Reflective practitioner)を育てるというのが要するところだったと私は解釈しています。そう考えると、藤沼先生などがされていることからそんなに目新しい付加情報は無いのかと思いました。

(文責:宮崎景)


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