HANDS-FDF (Faculty Development Fellowship) - Abortion Training in Three Family Medicine Programs
Abortion Training in Three Family Medicine Programs:
Resident and Patient Outcomes
3つの家庭医療プログラムでの人工妊娠中絶トレーニングにおけるレジデントと患者のアウトカム(満足度)
Maureen Paul, MD, MPH; Kristin Nobel, MPH; Suzan Goodman, MD, MPH;
Panna Lossy, MD; Joann E. Moschella, MA, DO; Hali Hammer, MD
【背景】 ↑
米国では、家庭医療レジデンシーの産婦人科ローテートで人工妊娠中絶手技を身につけることは一般的ではないが、その必要性は認識されている。そこで、カリフォルニアの3つの家庭医療レジデンシープログラムが、2003年度と2004年度の産婦人科ローテーション(4〜8週間)にルーチンで人工妊娠中絶のトレーニングを組み入れた。
【方法】 ↑
人工妊娠中絶トレーニングに参加した52人のレジデントのうち46人 (88%) が研修の満足度に関する質問紙に回答した。また、2つのトレーニングサイトの155人の患者がトレーニングチームから提供された医療についての質問紙に回答した。
46人のレジデントのうち39人 (85%) が人工妊娠中絶手技を実施することを選択し、7人のレジデントは中絶手技以外の患者のケア(カウンセリング、超音波検査、アフターケアなど)を選択した。トレーニングサイトの指導医は90%が熟練した家庭医で、共通のトレーニングプランで同じ教本を使用して指導にあたった。
【結果】 ↑
プログラムに対するレジデントの評価は概ね良好であった。さらに43人のうち3分の2がトレーニング後の調査で人工妊娠中絶に携わることについて関心が増したと回答し、関心が減ったと回答したレジデントはいなかった。レジデントによる合併症発生率 は1.0%だった。2つのトレーニングサイトでの155人の患者に対する人工妊娠中絶手技後の調査では、患者はトレーニングチームから受けたケアに対して高い満足感を得ていた。
【結論】 ↑
これらのプログラム評価の結果、人工妊娠中絶のトレーニングは、レジデントと患者両者から良好に受け入れられ、安全に家庭医療レジデンシープログラムに組み入れることができることが示唆された。
コメント↑
最初、表題を見てKirkpartickのLevel4 にあたる研究かと思ったが、読んでみたらLevel1であった。実際に教育を受けたレジデントが地域で実践し、患者がその恩恵を受けることが評価されれば、Level4だろう。
この論文で気になった点は、まずレジデントの手技での合併症発生率が、熟練した医師に比較してどうなのか、記載がなかった点で、本当に安全なトレーニングなのか、疑問が残った。
また、トレーニングチームの医療についての満足度を患者に回答させているが、患者回答者の抽出がどのようにされたのかの詳しい記載が無い。さらに、患者への質問紙の項目をみると家庭医療レジデント(を含むチーム)の手技の質を直接的にはかる質問は1問のみで、他はスタッフの柔軟な対応、患者への説明のわかりやすさ、待ち時間、面談時間など周辺のケアについての質問を含んでいた。実際の医療における患者の満足度は包括的なもので、手技が上手にこなせるかどうかはその中のほんの一部なのだろう。したがって、手技が患者にとって安心度の高いものなのかを直接評価していないような印象を受けた。
しかし、この研究はこれまであまり組み込まれてこなかった人工妊娠中絶トレーニングを導入するという画期的な試みであり、この論文を読んで多くのレジデンシープログラムがトレーニングを組み込み、より多くの地域で家庭医が住民に貢献するための第一歩の研究として評価できるのではないかと思った。
担当:川尻
岡田コメント↑
出典:↑
http://www.stfm.org/fmhub/fm2007/March/Maureen184.pdf
Abortion Training in Three Family Medicine Programs:
Resident and Patient Outcomes
Maureen Paul, MD, MPH; Kristin Nobel, MPH; Suzan Goodman, MD, MPH; Panna Lossy, MD; Joann E. Moschella, MA, DO; Hali Hammer, MD
(Fam Med 2007;39(3):184-9.)
