HANDS-FDF (Faculty Development Fellowship) - 慢性疾患ケアに関する医学部低学年への態度教育
Family Medicine誌:Volume 37 Issue 1January 2005
Walk a Mile in My Shoes: A Chronic Illness Care
Workshop for First-year Students
Anthony F. Jerant, MD; Bridget Levich, MS, RN; Thomas Balsbaugh, MD;
Sue Barton, PhD, PsyD; James Nuovo, MD
背景と目的↑
近年の医学部卒業者やある教育者は、慢性疾患のケアの教育を医学教育を施す前から行うべきであると示唆している。本稿では慢性疾患患者のケアに対する態度に関して気づきを促進することと、患者とセルフケアについて効果的に話し合えるようになることを目標としたワークショップを医学部の1年生に対して行った。
方法↑
学生は2つのパートに分かれたワークショップに参加した。レクチャーと患者中心のロールプレイからなるsession1と、学生自身が慢性疾患を「持っている」ものとして、2週間にわたるセルフケアの課題を実行するsession2の2つである。WSの内容は以下のとおり
- Session1
10分間:事前チェックテスト
45分:全体への講義
その後、グループを3つにわけ、「心不全」「2型糖尿病」」「高血圧」の患者として宿題を課される。イントロダクションのビデオが流れ、架空の医師と、患者が登場する。
@ 1日3回内服をすること。(薬の瓶を手渡される。中身はシュガーレスミント)
A 毎日体重を量り記録すること(糖尿病は週3回歩くこと、高血圧は1日3回血圧を測ること)
B 3日間の食事記録をつけること
- Session2(2週間後)
学生のうち何人かをボランティアとして募り、ファシリテーターの医師から、どのくらい宿題を実行できたか質問される。この際、医師役のものは、脅威のない、批評価的な態度を貫く。
その後、smallgroupに分かれて、威圧的で、評価的な態度が患者に与える影響や、「宿題」をどのように感じたか、「宿題」を遂行する上で妨げになったものは何か、医学生としての景観は、患者の経験とどう違うか、について話し合ってもらい、最後にセルフケアについて患者に質問し、促進するときに何が重要かを30分間話し合ってもらう。最後に10分間で終了後テストを受けてもらい、感想文に記入する。
評価↑
ワークショップの前後で慢性疾患患者のケアに関する知識について簡単なテストを行った。また、経験したことについて学生からの評価も行った。
結果↑
96人の学生のうち86人がSession1に参加し、91人がSession2に参加した。知識領域の試験は、平均6.4(標準偏差:1.5)ポイント改善した。評価票に記入してくれた53人(55%)の学生のうち、ほとんどが本ワークショップの必要性を認識しており、何割かの学生は、WS後慢性疾患患者のケアに関してよりpositiveに考えられるようになった。多くの学生は、臨床教育が始まったのち、さらに勉強するのが楽しみだと答えた。
結論↑
1年目の学生に対する慢性疾患ケアの導入のためのWSは、ケアに関する知識や態度の向上につながることがわかった。臨床教育が始まる前にさらなる長期的トレーニングを検討する必要がある。
担当者コメント↑
(文責:平山陽子)
