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HANDS-FDF (Faculty Development Fellowship) - 突出した学習者に対する教育方法


Teaching the Outstanding Medical Learner
Dean A. Seehusen, William F. Miser
Family Medicine Journals Volume 38 Issue 10 November-December 2006

突出した学習者 outstanding medical learnerに対する教育方法

医学生、研修医は一般的には標準化されたカリキュラムで教育が行われる。このカリキュラムに則っていくことが困難な学習者の中には、ときに必要以上に注意を要し、プログラム自体を個別化されたものに修正する必要が出てくる。そうは言っても、突出した学習者は、もし仮に一般的なカリキュラムが彼らにとって容易すぎる場合でも、個別化された学習プログラムを提供されることはまれである。これらの突出した学習者は、教育者の間では「gifted adults」と呼ばれる集団に属する。医学の学習者において、この集団に対する文献はなく、研究も行われていない。今回は医学の分野において突出した学習者に対する最良のアプローチを、「gifted adults」の枠組みを用いながら紹介する。これらの学習者が良く遭遇する落とし穴についても記載する。「gifted adults」は知的に関心のある分野に挑戦する機会が与えられると、才能を生かし、潜在能力を最大限発揮する。研究、出版、教育の機会、そしてリーダーとしての役割はその例である。個々の関心を追求できるようにすべきである。学習者が同じくらいの能力のある仲間やメンターに出会えるようにしてあげるべきである。普段から知的に刺激されることなく、周囲の人が自分と違う興味を持っているようであれば、教育に対して飽きが来て、欲求不満がたまることだろう。医学教育を行う者は、「gifted adults」の特徴や、どうすれば焚き付けられるかを理解することで、これらの学習者は、一般的な落とし穴などを回避することを助けながら、いつも挑戦し続けさせることができるだろう。

「gifted」という用語は、知的能力に関して一般集団上位3〜5%に入る集団をいう。「gifted adults」は法律関係や医学関係の分野に進むことも多いため、医学の世界でも最低でも3〜5%は「gifted adults」であると言える。

「gifted adults」は同じような特徴もあるが、幅広い多様性もある。

「gifted adults」の3つのタイプ(Streznewski)

  • 努力型striver:

テストでは高得点を取る。高い専門性を持った分野に進む。医学部ではgunnerと呼ばれている。

  • 英雄型superstar:

より多様な興味を持つ傾向にあり、やることなすこと上手くこなす。人間関係も良好に築けて、仲間に好かれる。

  • 孤立型independent:

教育者にとってやっかいもの。Difficult learnerと間違えられやすい。権威者に対して全く好意的ではなく、同僚、先輩、教育者に対してもほとんど興味関心を持たない。興味がある分野にはすばらしい結果を残すが、それ以外には挑戦しようとしない。

「gifted adults」の5つの特徴(Lovecky)

内向的で、意思が強く、個々の興味、直感によって動機付けられる傾向があり、道徳観が高い傾向がある。想像力があり、高い創造性を持ち、問題を革新的に解決する。中には比類ない擬術を身に付けるものもいる。

Table 1

  • Divergency相違性:

問題点や関係性の見方がユニークである。彼らの見方に他の人はついて行けないか、もしくは共に仕事ができないこともある。教育する側からすれば、教えにくいと見えるかもしれない。「gifted learner」は完璧に理解し、違った視点から考えているにもかかわらず、指導者からは分かっていないように捉えられてしまう可能性がある。

  • Excitability興奮性:

知的に挑戦する価値があると分かったらプロジェクトにすぐに没頭しはじめ、疲れ知らずに仕事をする。他の人は疲れてしまうことを、ハイになって活動する。卓越したエネルギーで熟していくが、好奇心が満たされれば、関心を失うことになる。これはプロジェクトを不完全なまま終わらせてしまうことにつながり、ときにフォローができないことで指導者は不満に感じる。

  • Sensitivity感受性:

「gifted adults」は興味のある問題に対してはとても感受性が高く、深い情熱を募らせていく。違った優先度を持っているため、他の人から望まれていることやニーズなどには寛容ではない。よって彼らの考えは頑なであると見られやすい。環境に対し感情的に反応しやすい傾向もある。感受性や信念に対してはほとんどfeedbackを受けてこなかったため、negative feedbackを与えるのが困難である。

  • Perceptivity鋭敏性:

「gifted adults」はある状況を同時にいくつかの層構造として理解する傾向があり、それは臨床医にとって有用なことである。こうすることで複雑な仕事も容易に熟すことができる。時にこの能力を抑えることを学ぶこともあり、そうすると、たいして卓越していないように見える。

  • Entelechy生命力:

自己実現のための力強い動機付けがある。医学教育の必要性と、彼らの自己実現の必要性が相容れないときに、困惑を招く事がある。

突出した医学の学習者を教育する一般的方法(Table 2)

  • 学習者を突出したものとして認識する
    • 高いレベルにある彼らの潜在能力を理解する。
    • 「gifted adults」の特徴について彼ら自身に学ばせる。
    • 彼らの潜在能力を引き出しやすい環境を作る。
  • 学習者に挑戦する
    • 指導するよりも賞賛する衝動を抑える。
    • 複雑な問題をより完璧に熟せるように学習者に促す。
  • 協力指導法を実践する
    • 自分が知らないことを認める。
    • 答えを共に探すことにより、生涯学び続けているというロールモデルになる。
  • 学習者が何に興味を持っているか知る
    • 主要な学習方法を逸脱する探求を奨励する。
    • 与えられたカリキュラムもまたしっかりと熟すように主張する。

突出した医学の学習者を指導するための推奨技法(Table 3)

  • 目の前にいる患者を超えた指導

臨床で遭遇する症例をきっかけとして、より複雑な臨床シナリオを作ることで指導し、励んでもらう。

  • 患者ケアの原則を指導

教科書的な学習よりも実際の経験を通して学ばなければならないケアの側面について指導する。

  • 学習者に他の人を指導する機会を与える

興味のある分野をさらに追求し、講演や論文にすることで得た知識を共有するよう促す。

  • 個人の発展を促す

教育、研修、リーダーとしての地位を探求することを促し、学習者自身が利用でき、才能を発揮できる他の道を探すことを奨励する。

  • 他の成功者と働く機会を提供する

学習者に適切なメンターを探す。必要があればinvisible collegeや専門的分野に協力してもらう。

担当コメント:

担当:中川貴史

岡田コメント:

出典

  • Abstract

http://www.stfm.org/fmhub/fm2006/abstracts.cfm?xmlFileName=fammedvol38issue10.xml

  • 全文

http://www.stfm.org/fmhub/fm2006/November/Dean731.pdf


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