HANDS-FDF (Faculty Development Fellowship) - 教育研究
この教育研究のセッションでは教育介入、教育プログラムの効果がどうなのか、という視点について考えた。どのような教育でも目標があり、それを達成するための方略があるが、違った角度から「教育介入が行われた結果、果たして何が変わったのか」の視点は重要である。よい教育、よい教材は効果が証明されてこそである。逆に効果がない場合、その方略が目標を達成するために妥当なものであったのか、あるいは、そもそも目標自体に意味があったのかといった考察が行われるべきである。
教育介入については、EBMと同様、PICOを用いて考える。すなわちPatient→learner(学習者)、Intervention(介入が行われた結果)、Comparison(それを行わなかった場合と比較して)、Outcome(結果がどのように変わったか、あるいは変わらなかったか)である。
果たして問題はOutcomeをどのように測定するか、である。ここで測定するものとして、成績、態度、パフォーマンス、長期的アウトカムなどが上げられるが、実際の測定は困難なことが多い。また研究には不可欠であるRCTを行うことも障壁が多いと考えられる。教育レベルが高まれば高まるほど、交絡因子が影響することも懸念される。
Kirkpatrickはアウトカムを分析する際、4つのレベルがあるとしている。本来、介入が行われた場合、Level4での改善が望ましい。このレベルでの改善が見られたなら介入自体に意味があったと評価することができる。教育関する人、モノ、カネを動かすためにもこのレベルでの結果を出さなくてはならない。また医療自体がLevel4のアウトカムに基づいて動くことが望ましいだろう。
Kirkpatrickの評価の4段階レベル↑
- Level 1 Reaction → 楽しかった、また参加してみたい (感想など)
- Level 2 Learning → 直後に評価する、ただし長続きはしない… (直後のアンケートなど)
2a Modification of attitudes and perceptions 態度、認知の変化 2b Acquisition of knowledge and skills 知識、技能の獲得
- Level 3 Transfer → 現場での応用、実際に変化したこと、行動の変化
- Level 4 Result → 患者の受ける医療がどうなったか
4a Change in organizational practice 組織、システム上の変化 4b Benefits to patients or clients 患者やクライアントへの利益
評価する際に考えておくべきこと
1誰が評価の結果の影響を受けるか(Stakeholders)
結果を利用する可能性のある人たちをはじめから巻き込んでおく
2評価すべき介入、プログラムの目的は何か?測定可能か?
3介入は十分なインパクトを起こしうるか?
何らかの教育理論に基づいたものか
Pilotデータなど、効果がありそうだと言えるか?
4アウトカム研究を行うに値するほど成熟した介入、プログラムといえるか
5評価の際に起こりうる問題
(担当:朝倉健太郎)
