Powered by MyWiki.jp

HANDS-FDF (Faculty Development Fellowship) - ネゴシエーション


ネゴシエーション        HANFDS-FDF 2006 2007年1月20日 講師:一瀬直日先生

なぜ交渉術がFDに必要か?

指導医が必要とする交渉術

・指導医間での研修カリキュラムの調整
・研修内容を変更。施設管理者から了解を取る
・予算の獲得交渉。
・研修医に交渉方法アドバイスできる。
(ローテーション先の指導医と研修内容や気管を決める際に役立つ)。

一瀬先生の経験より、

研修医12年目の頃:指導医と研修カリキュラムをめぐって交渉。
3年目:診療所運営を任されるようになると、途端に、事務長と、施設運営についての交渉や診療所での診療の方向性をめぐって、看護師や介護師と交渉することが増えた。
医師6年目:研修指導医、在宅在宅部長や老人保健施設医といった。役職についた為、さらに施設内外の方との交渉が増えた。

本日の目標

1.「ネゴシエーション」の基本的な考え方を理解する。
2.実際の交渉場面で必要なスキルを理解する。
3.ロールプレイを通じて、自分のスキルの現状を知り、スキルの習得をはかる

ネゴシエーションの基本的な考え方

ネゴシエーションとは・・・
双方向性のコミュニケーションのプロセスであり、自分が誰かから何か得たいときや、
あるいは誰かが自分から何かを得たときにはいつでも起きているもの

G.Richard Shell. Bargaining for Advantage:Negotiation Strategies for Reasonable People

ネゴシエーションの結果:

合意点を自分に引き寄せてしまいすぎるとwin‐loseの構図が出来ます。
もちろん逆にlose‐winになることもあります。
建設的な協調した交渉により、合意が膨らめば、win‐winになります。
合意内容がしぼみ、妥協により最低ラインを双方がひいてしまうとlose‐loseになってしまいます。



                     上記2作品:一瀬先生作成

ネゴシエーションスタイル

  〜よくある4つのパターン(参考文献A。シナリオはオリジナルです)〜

●強制スタイル

・どちらかの権利が強い。(弱い)、場合に起こりがち
・弱い方は、選択肢がなく、強い方に屈服する

■利点
・時間がかからない
・強い方になれば自動的に勝者となる。
■欠点
・物別れに終わることがある。
・一方は憤慨する

●妥協スタイル

・どちらかが合意を得るために何かをあきらめなくてはならない場合、
・どちらもwinかつloseである。
・よくあるスタイルだが両者共に真に望んだ通りではないため、
 禍根を残すことがある

■利点
・ごく自然な方法
・どちらも勝ちであり負けであり、公平に見える。
■欠点
・降参することを期待しているため、極端な意見を出す可能性がある。
・どちらも真の望みではないため、残念に思うかも

●受け入れスタイル

・一方が他方との関係を維持することを争うより大事だと考えるときに行われる。

■利点
・喧嘩は無意味と思えば降参し、争いはすぐに終われる。
・相手に「貸し」を作れるかもしれない。
■欠点
・簡単にあきらめると犠牲が大きいかもしれない。
・相手になめられるかもしれない

●協調スタイル

・両者が最終結果に満足いく。
・当初は両者の利害が対立するため、両者が満足いく結果に至るには時間がかかる

■利点
・両者共に勝者
・両者が幸福になることに注目するので、人間関係が改善する。
■欠点
・時間がかかる。
・強制スタイルを取る人から見ると弱そうな方法に見える

ネゴシエーションのスキル(参考文献@)

・基本スキルは聞き方と話し方です

聞き方

■原則1.「人」と「問題」を分けてとらえる。 Separating People and Issues

・相手が気に入らないと思わずに、相手の抱える問題が気に入らないと考える。

人と問題を分けるには?・・・

・まず自分の感情を処理
・柔軟性をもって、相手の言い分に耳を傾ける
・どうして相手がそう考えるのかを理解しようとする。    active listeningといいます
・先に相手の感情を表出させる。
・相手の感情に対して感情で反応し返さない。
・初心者なら、初めは大げさで良いので深くうなずいて理解したように見せる ・・・慣れない人にはおすすめのテクニック習得法です。
・理解することと同意したことは別。

■原則2.関心事に焦点分ける focus on Interests

・まずは相手の利益(関心事)を見いだす。
「どうしてその立場をとるのですか?」
「どうしてその立場からないのですか?」

・相手の利益(関心事」)を考慮している態度を
 示せば、相手も自分の利益(関心事)を考慮せざるを得なくなる

話し方

■原則3.選択肢を作る Generate Options

・先に解決の選択肢をできるだけあげる。
・それから選択肢を評価して絞っていく。
・win‐loseを避けるには、互いの利害が相補できる選択肢を選ぶ。(自分の犠牲が少なく、相手の利益が多くなるように、お互い考えていると良い。)
・脅迫は合意を得ようとするのには、非効果的

■原則4.客観的基準を用いる Use Objective Criteria

・合理的基準にのっとった決定を行う。
・お互いが納得する基準を利用する

■交渉の前にやること

〜交渉範囲の同定(参考文献@B)

・1.ゴールは何か?
最も高く設定すること。
2.ボトムラインは?
・ただし、最高線なしに最低線だけを考えると、自由に選択肢を考え出す作業に入れなくなる。
3.BATNA(=Best alternative to a negotiated agreement)を考える
もし交渉がうまく行かなかったらどうするか、
・最低限の合意ラインをあげられる。

■相手が交渉の場に立たないとき(参考文献@)。

1.正式な交渉方法を見せているうちに、その方法に引き込まれていくことが多い。
2.相手の攻撃に「反応」しないで、元の「問題」に引き込む。
3.第3者を立てて交渉する

■むずかしい相手(参考文献B)

・Good Cop/Bad Cop  → 実はgood Copの戦略に引き込まれる。
・脅迫と究極の選択を迫ってくる
・「もう1つついでに、お願いが…」とギリギリになって頼んでくる。
・「すいません、とてもそんな余裕はなくて」と断ってくる
・「差額は半分ずつ負担しましょう」と交渉していると見せかけて、実はボトムラインを下げさせてくる
・交渉相手が担当人をコロコロと変えてくる。
・肝心な人(決定権を持つ人)が交渉時にいない。

参考文献

@Getting to Yes: : Negotiating Agreement Without Giving in By Bruce M. Patton, William L. Ury, Roger Fisher

http://www.colorado.edu/conflict/peace/example/fish7513.htm
Googleブック検索(New York: Penguin Books, 1983).
http://books.google.com/books?hl=ja&lr=&id=sjH3emOkC1MC&oi=fnd&pg=RA1-PA1&sig=bp_WNuqvksN3msHAWKLJGgkHOxA&dq=%22Fisher%22+%22Getting+to+Yes:+Negotiating+an+Agreement+Without+Giving+in%22+#PPA98,M1

AI-CANS: Integrated Curriculum for Achieving Necessary Skills
http://www.literacynet.org/icans/chapter05/negotiation.html

BThe healthcare Collaborator-Negotiating/Barganing skills July 2001.
http://www.healthcarecollaborator.com/index.asp

まとめ担当:阪本直人 作成:2007年2月5日 更新:未